[レポート] 自動車産業でのプロダクションレベルの生成AIソリューション #AWSreInvent #AIM252
データ事業本部 機械学習チームの鈴木です。
AWS re:Invent 2024の、セッション番号AIM252の『Production-grade gen AI solutions at Nissan with Snowflake Cortex AI』を聴講したのでレポートです。
AWSとSnowflakeの生成AI機能を使い、顧客の調査やオンラインレビューを分析したユースケース例が紹介されていたため、同じようなことがしたい方はぜひご確認頂ければと思います。
オンデマンド動画
概要・ポイント
ユースケースの紹介に先立ち、SnowflakeのAI/ML機能の紹介がありました。
SnowflakeではLLMなどによる予測結果の層まで一元的に実現できるのが大きなメリットとしてあります。
少し脱線しますが、Cortex AIの紹介の中でAI Observabilityがあったのが印象的でした。SnowflakeのML機能にはモデルレジストリがあり着実にMLOpsの機能が強化されていますが、モニタリングの仕組みはこれからの印象でした。Cortex AIの枠組みで紹介されていたのでもしかするとLLM向けの機能かもしれませんが、Snowflake AI向けにも使えるとよさそうです。
自動車産業でのユースケースとしては、Cortex AIを使用したものが紹介されていました。
具体的には、顧客の調査やオンラインレビューに対する、誰がこの車を買うのか・なぜ買うのか・購入理由は何かという消費者ニーズの深掘りが挙げられました。消費者ニーズを機能的なニーズ・感情的なニーズ・未充足のニーズの3軸に分解することで、車両コンセプトの参考としているそうです。
Snowflakeで、蓄えたアンケート結果・コメントなどの非構造化データをCortex AIで分析し、何百万ものレビューを9割弱の精度で3つの大きなカテゴリーに分類することができました。カテゴリー内には10の属性があり、どの属性が良い感情に関連しているかを分析することで、ニーズの分析をしているようでした。2年前までは手作業で確認しており、大量の処理ができなかったところを、ある程度の精度でできるようになったそうです。例えば従来だと新製品のレビュー結果を分析するため4〜6ヶ月かかっていたところ、オンラインコメントを使用してCortex AIで約1週間で実施できるようになった結果が言及されており、製品開発プロセスの高速化への寄与が伺えます。
セッション内では、上記を実現するための具体的な構成例の紹介もされていました。
最後に
Cortex AIを使って、Snowflakeに蓄えた非構造化データの分析結果を消費者ニーズの分析に役立てたユースケースの紹介でした。具体的な短縮効果や実施内容が紹介されており、生成AIを使うとどのような効果があるのか大変分かりやすい内容となっておりました。レビュー・コメントなどの分析をされたい方はぜひご確認ください。